「霧芯館 KJ法ワークショップ2011 其ノ二」参加者のみ閲覧可

  • 2011.12.22 Thursday
  • 15:05

2011年を振り返って

  • 2011.12.22 Thursday
  • 14:56

 12月10日には、煌々たる満月での皆既月食がありましたが、この日、「霧芯館 KJ法ワークショップ2011 其ノ二」 を開催いたしました。(於:霧芯館)
 今夏(8月6日)開催のワークショップでは、ご参加くださった方々には、「パルス討論」という技法を体験していただいたのですが、そこで作成された「探検ネット」図解の成果から、こちらでピックアップしたラベル70枚を元に、今回の「其ノ二」では「狭義のKJ法グループ作業」に取り組みました。
 すでに霧芯館にてそれらの元ラベル70枚から完成させたKJ法図解もあって、参加者に成果をフィードバックできる状態ではありましたが、あまりに味わい深いラベルたち70枚を眺めておりますと、これを元にグループKJ法をやらないでおくのはもったいない、という感慨が湧いてまいりました。そこで、夏の参加者に呼びかけて、初冬の一日を、京都・洛北の里山風景をご覧いただきながら、KJ法三昧でお過ごしいただいた次第です。

 夏のワークショップのテーマは「〈かくれんぼ〉ができない私たち」でした。
 KJ法の現場はいつも〈異文化交流〉です。
 KJ法が活用される個々の現場ももちろんですが、霧芯館にて研修を受講された方々が集まれば、そこにも〈異文化交流〉が発生します。異質な現場を抱えた方々がいかに生産的にスリリングにディスカッションできるかと考えたときに、このテーマが浮上してまいりました。
 生老病死や他者といったものを、象徴的な意味合いでの〈鬼〉と考えるならば、〈鬼〉とのまっとうな向き合い方を通して奪回されるべきものとは何なのか。〈かくれんぼ〉を不全にさせている病理とは何なのか。
 当日のディスカッションの成果から選び出された70枚のラベルは、私には実に感銘深いものでした。

 12月10日、「其ノ二」にお集まりいただいた方々には、この70枚のラベルたちをしっかり味読してきてもらい、当日は「多段ピックアップ」→「狭義のKJ法グループ作業」を行って、元ラベル33枚による図解が完成いたしました。
 図解のタイトルは「個のよみがえりのために」。
 参加者はほとんど、霧芯館にて〈個人KJ法1日体験コース〉および〈取材と応用コース〉を受講された方々でしたので、作業もてきぱきと進み、図解の完成度、みなさんのチームワークの素晴らしかったこと、一体感・達成感の共有、いずれにおいても最高度に質の高いグループKJ法であったことに、私自身深い充足感をおぼえました。
 現在の、〈個〉を奪う社会のあり方、関係の不全、身体の貧しさ、〈鬼〉への気づきの重要性、象徴的に〈死〉を取り込むことによる〈再生〉への願い、弾力のある〈一人力〉構築の課題等、本質的な問題が出そろった図解は迫力のある出来栄えです。
 なにより、作業時間が実に濃密でした。ラベルの〈志〉の近さの吟味においても、「表札」の〈志〉をめぐるやりとりにおいても、味わいのあるメンバーで交わされた刺激的なイメージの数々と、それらがひとつの〈質〉へと統合されてゆく興奮は、ほかでは味わえない熱気とともに、それぞれの記憶に残ることとおもわれます。そして、創造的な体験を再び味わいたいという純な欲動となって、確実に〈再生〉することとおもわれます。
 この日完成させた図解以外にも、残念ながら参加できなかった方から届いた図解、参加者が個別に作成してこられた図解なども紹介しながら、同じ元ラベルからのさまざまな図解を味わい、その後は懇親会にてお酒とお食事も味わい、月食が始まる頃まで、KJ法を味わい尽くした一日となりました。

 この一年を振り返るなら、天変地異による巨大な不条理をはじめ、社会的で可視的なできごとで語るのが当然であるかもしれません。
 しかし、可視的なできごとの本当の意味とは、KJ法のラベルに記された表面的な明晰さの奥にひそむ〈志〉のようなものでありましょう。
 そういう〈志〉や隠された意味との〈かくれんぼ〉が、私たちはどれほど拙劣にしかできていないか。本来、世界の隠し持っている意味の豊かさとどれほどきちんと出会いそこねていることか。
 そんな想いにこだわりながら、この一年も、KJ法を通して多くの方と出会い、時間を共にしてきました。
 あまり身軽く動くわけではない私を、今年出会ったり出会い直したりした方々は、なんと上手く動かしてくださったことか。〈縁〉に深さと動きの伴ったこの一年も、忘れがたい一年となるようにおもわれます。
 また、このブログでものを書くという私の営為を、しっかりと楽しみに受けとめて下さる方々の存在も、大きな励みになりました。
 KJ法と、KJ法にまつわる私の営為が、個々人にとってなにごとかであるように、いつもそのことを切に願っています。
 どうぞ、よいお年をお迎えください。




JUGEMテーマ:日記・一般
 

calendar

S M T W T F S
    123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031
<< December 2011 >>

selected entries

categories

archives

links

profile

search this site.

others

mobile

qrcode

powered

無料ブログ作成サービス JUGEM