霧芯館KJ法ワークショップ2012〜参加者のみ閲覧可〜

  • 2012.08.16 Thursday
  • 12:37

霧芯館KJ法ワークショップ2012

  • 2012.08.15 Wednesday
  • 19:17

 8月11日、「霧芯館KJ法ワークショップ2012」を開催いたしました。(於:京都テルサ)
 昨年にひき続き、霧芯館の研修を受講された方とそのお知り合いの方々を対象に開催し、KJ法の本質に触れつつご交流を深めていただきました。



 KJ法概論、昨年のワークショップの事例報告、パルス討論、作品批評、受講者展示作品の発表・解説、と盛りだくさんの内容でしたが、全国からお集まりいただくみなさまにとって意義深い1日となるよう、スタッフと準備を整えてきた甲斐あって、今年も充実した手ごたえを得られました。




「パルス討論」では、テーマを「変容の本質〜現場が変わる瞬間(とき)〜」といたしまして、参加者のみなさまに6名までのチームに分かれてディスカッションをしていただきました。



 KJ法の研修を受講される動機の底には、「現場を変えたい」という強い願いが横たわっています。その「現場」とは、組織や集団のこともあれば、個々人の内面や身体のこともあるでしょう。
 いずれの現場においても、今までのやり方では通用しない、という切迫感や、打つ手の無い閉塞感、そして見通しの立たない息苦しさが漂っています。
 このテーマに沿って語り合っていただくことで、普遍的な「変容」の本質に迫り、現場を変えてゆくパワーの源を探り当てられたら、とおもいました。
 お集まりいただいたみなさまには、それぞれの現場での「変容」にまつわる苦労や困難、あるいは「変わるとはこういうことだったのか」「ここを変えることでこんなに変わった」「変わらないのはなぜなのか」などといった体験・事例・想いの数々を語り合っていただきました。





 作品批評の時間には、KJ法の正しい理解と実践がなされない場合、どれほどむなしいただの「分類」に陥ってしまっているか、事例をとりあげて批評し、その事例をまっとうなKJ法で根こそぎ扱い直すとどうなるか、川喜田晶子による比較解説を行いました。
 受講者の作品もいくつか展示・発表・解説を行い、KJ法の意義が実現されるとはどういうことか、成果を味わっていただきました。

 最後にはひと言ずつご感想を頂戴したのですが、異分野・異業種の方との交流が刺激的だったこと、KJ法の奥の深さに衝撃や戸惑いを受けたこと、想像していたイメージとあまりにも違ったことなど、この日の体験の鮮度を強く感じさせることばを聴くことができました。

 パルス討論での成果は、「探検ネット」と呼ばれる図解として、今、私の手元にあります。
 参加者全員では数百枚にも及ぶラベルたちは、今年も実に味わい深いものです。これらから精選したラベルを使って、また冬にはワークショップ「第二弾」を実施し、狭義のKJ法図解も完成させ、参加者にフィードバックしたいとおもっていますが、中でも印象深いラベルを、少しだけご紹介してみましょう。

「はり倒されて痛みを感じることで気づくことがある。」
「失敗体験は、危機的状況に立ったときに、臨機応変な対応の助けになる。」
「多少のリスクがあったとしても、それも含めて見守ることが、成長を促すために必要だ。」
「からだに染みついた虚偽性は、変容の源泉かもしれない。」
「あいさつが出来るようになると、相手との関係が変わる。」
「きっかけのつかみ方までお膳立てされた社会になっている。」
「極限・最低・最悪を経験することが必要である。」
「大きな借金を抱えたとき、がんって開き直って自分の人生を引き受けられた。」
「すべてを失う覚悟をしたとき、変わることができる。」
「昔の自分と今の自分はかなり変わったと思う。それには死の苦しみがあった。」
「死のギリギリの体験をしたことで、自分の人生を再スタートすることに決めた。」
「家族内の新しいステージは、関係性を一度は壊すことも覚悟すべきかと思った。」
「変容して行くものをしていかないような気持ちでいると、相手も自分も行き詰まる。」

 大きな変容のために、〈死〉に匹敵するような時間が必要だった、そんな体験が、各チームで率直に語られていたことに深い感銘を受けました。
 また、現場を変えるための息づまるような苦労・困難・衝撃、それらも多々鮮烈に語られていました。
 社会に染みついたもの、社会から染みつけられたものによって変容が妨げられている苦しみも滲みます。

 ここでご紹介したのはほんの一部ですが、すべてのラベルに、参加者のみなさまの人生が濃く沁みとおっていて、ここからの「狭義のKJ法」での作業においては、謙虚に大切にラベルの〈志〉を聴き届けなければ、というおもいに駆られます。

 昨年も「〈かくれんぼ〉ができない私たち」というテーマで、現在の病理の本質に迫りましたが、今年もまた、「変容の本質」に迫ることは、やはり〈現在〉を問い、そこで生きる私たち自身を問う作業であったとおもわれて、熱いものが込み上げてまいりました。

 ご参加のみなさまのKJ法への熱意と真剣な生きざまに、あらためて衝たれる一日でした。




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