「霧芯館 KJ法ワークショップ2013 作品・解説集」完成

  • 2014.04.29 Tuesday
  • 20:52
 昨年開催いたしました「霧芯館KJ法ワークショップ2013」の「作品・解説集」が完成の運びとなり、参加者のみなさまにお届けできることとなりました。
 昨年のワークショップのテーマは「“寄り添い”の哲学」。
 現場力の豊かな参加者によって、夏のワークショップではディスカッションを通して「探検ネット」にたくさんのラベルが提示され、冬のワークショップではそこから「多段ピックアップ」によって精選されたラベル群によるグループKJ法が行われました。
 KJ法図解によって構造化され、本質が浮上させられた“寄り添い”をめぐるラベル群は、また新たに個々のラベルの〈志〉がきらめきを放ち、象徴的な存在感が増して感じられます。
 グループKJ法作品も、参加者個人によって作成された図解も、私自身の作品も、緻密な解説を加えてフィードバックしております。



 近年、「〈かくれんぼ〉ができない私たち」「変容の本質〜現場が変わる瞬間(とき)〜」そして「“寄り添い”の哲学」とテーマを設定して取り組んできたワークショップですが、参加者の本質追求力、合意形成力には深化が見られ、あくまで「発想」するという粘り強さが駆使されているのは特筆すべきことです。
“寄り添い”というのは、一人だけで完結する行為ではありませんから、他者との関係をいかに構築するか、その結果をいかにより良い生産的なものとするか、技が駆使されねばなりませんが、その技は、世界観・まなざしに支えられるのでなければ意味がないことを、完成された図解たちは訴えかけています。
 ちょうどKJ法が「技法であり、思想である」ように。技法と思想とが分極して受け止められている限り、この方法はまっとうに機能しないように。

 私自身、昨年の夏のワークショップで出会ったラベルたちから、たくさんの励ましと示唆を感じながら、日々を乗り切ってきました。そして自分で完成させた図解によって〈志〉の相貌を新たにするラベルたちと出会い直し、より力強くそれらに支えられる日々であることを実感しています。
 たとえば、「相手に泣いてもらった」というラベル。
 こんな短いフレーズのさりげないラベルですが、目の前の他者からあふれ出る、感情、衝動、混沌とした闇、それらをたじろがずに受け止めている人のたたずまいが想像されます。せきとめられていたカオスを身も世も無く溢れさせている人にじっくり向き合える感受性が、どれほど“寄り添い”を確かなものにすることでしょう。明晰さや、我執や、強制にしがみつくことで回避している闇のカオスを引き受けることで、再生できるものの大きさを想います。

 図解やラベル達の表情が、現場を生きる参加者の心をふとよぎるときに、ささやかでもゆっくりとでも、息づき始めるものがあればと願い、今年も「作品・解説集」の完成に力を注ぎました。
 楽しみながら、永く、味読していただきたい一冊です。

 

JUGEMテーマ:日記・一般

calendar

S M T W T F S
  12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
27282930   
<< April 2014 >>

selected entries

categories

archives

links

profile

search this site.

others

mobile

qrcode

powered

無料ブログ作成サービス JUGEM