「霧芯館 KJ法ワークショップ2016 作品・解説集」完成

  • 2017.05.28 Sunday
  • 12:40

 昨年開催致しました「霧芯館 KJ法ワークショップ 2016」の「作品・解説集」が完成の運びとなり、参加者のみなさまに成果をお届けすることができました。

 毎年、一つのテーマをめぐって「パルス討論」による「探検ネット」の作成、「多段ピックアップ」を経て「狭義のKJ法」という一連のグループ作業を行ない、夏と冬の二回で完結する物語を体験していただいています。

 2016年のテーマは「〈初対面〉のラビリンス」でした。

 ワークショップで完成された図解、スタッフや私自身の個人作品も含めて、このテーマをめぐって提示されたラベルたちがKJ法図解となった成果を、丁寧に解説した冊子です。

 

 

 このテーマはとても評判が良かったという印象があります。

 誰もが毎日のように体験する〈初対面〉。それにまつわるきわめて具体的でささやかな事例や想いが提示しやすく、それらがKJ法図解として構造化されたときに、「抽象度が上がる」「本質が追求される」とはどういうことなのか、極めてわかりやすい。

 KJ法が具体性からどれほど魅力的に発想できる方法なのか、実に鮮やかに確認できるテーマであったとおもわれます。

 

 毎年のことですが、同じラベルを共有していながら、チームごとに異質な図解が出来上がるのも刺激的です。

 今回は、どのチームの図解にも、私たちの〈関係〉や〈世界観〉に対して〈圧〉をかけてくる「規定力」が浮上しており、「社会」「因縁」「宿命」「自意識」「我執」といったバラエティーでその「規定力」の質が把握され、どのようにそれを超えてゆくのか、各チームの個性が図解ににじみ出ておりました。

〈初対面〉において意識的・無意識的に駆使されている技や配慮や身構えの中に、実はこの世界をどのようなものと認識し、それに対していかに闘って超えるべきだと考えているのかという叡智が潜んでおり、KJ法によるダイナミックな構造化の成果が一望できました。

 誰もが何らかの「規定力」の〈圧〉を感じ、それを「怖い」と感じつつ、「自然でありたい」「自由でありたい」「良き物語を紡ぎたい」と祈りながら日々の生活において磨かれてゆくものがある。そんな手応えを、霧芯館のワークショップ参加者によって象徴的に担われた〈現在〉の手応えとして感受できたことが、とても幸せなこととおもわれました。

 

 また、毎年このワークショップ開催を待ち望んでくださっている参加者のみなさまのお気持ちにも勇気づけられます。

 案内状の送信を今か今かとお待ちいただいていたり、日程確定を待ちきれずに飛行機や宿泊先の手配をするという博奕(しかも負けない!)をなさる方もおられて、こちらもうれしいやらはらはらするやら。

 このような幸せな場の提供は、私一人では出来ないことで、支えてくれるスタッフや、新たな参加者をも和やかにリードできるベテラン受講者の存在や、現場を闘っておられる方々の熱い想いがあればこそであり、そこに創案者・川喜田二郎のこの方法に込めた思想が、ご縁のある人々の集う場に寄り添って、方法の〈花〉を咲かせていることを感じます。

 

 今回も、入魂の批評・解説に多大なエネルギーを駆使致しましたが、今一度〈花〉の美しさを参加された方々と共に味わい直すことができて、充実した安堵感に浸っております。

 

 

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