「霧芯館KJ法ワークショップ2018」〜参加者のみ閲覧可〜

  • 2018.08.08 Wednesday
  • 21:11

「霧芯館KJ法ワークショップ2018」

  • 2018.08.08 Wednesday
  • 21:07

 

 さる8月4日、「霧芯館KJ法ワークショップ2018」を開催いたしました(於:京都テルサ)。

 過去に霧芯館の研修を受講された方々が、今年も全国から酷暑の京都にお集まりくださいました。KJ法のグループ作業を通してご交流を深め、この方法のステップアップを目指す修行の機会。

 

 

 今年のテーマは「〈非常識〉のメルクマール」。

 開催趣旨は以下の通りです。

 

 今年のテーマは「〈非常識〉のメルクマール(指標)」。「なんて非常識なんだ!」と誰かを非難したくなる時、あるいは「なんて常識破りの発想なんだ!」と賛嘆するとき、私たちは〈常識〉と〈非常識〉の境界線を意識します。何をもって〈非常識〉と感じるのか、そのメルクマール(指標)について議論することで、いつの間にか私たちを補強したり囲い込んだりしている〈常識〉という枠組みの本質を浮上させてみたいと思います。

 

 当日は、「パルス討論」というKJ法のディスカッションの技法によって「探検ネット」と呼ばれる図解を作成します。これは、テーマをめぐって360度の視角からデータの質のバラエティーを効率よく出し切るための技法。ここで提示されたラベル達は、冬に開催される「霧芯館KJ法ワークショップ2018 其ノ二」で「狭義のKJ法」によって構造化され、本質を明らかにされることとなります。

 

 今回の夏のワークショップで提示されたラベル達から、今年もいくつかご紹介しましょう。

 

・相手に伝わらない経験をすることで自分の非常識に気づく。

・伝統の土俵が女性を追い出す。

・ルールという「常識」が、声の大きい人の「非常識」にぬりつぶされる。

・世の中の「常識」の範囲が狭まってキュークツになってきた。

・自己肯定感が低いと常識を主張したくなる。

・疲れている時は、非常識と感じる他人の存在が増える。

・世の中の変化についていけない高齢者が取り残され“迷惑老人化”している。

・苦情は企業にとって宝物と化す。

・「常識がある人」に見られたいとどこかで思っている。

・常識なんてクソくらえと思っても非常識と距離をとってしまう。

・常識には「格好」がある。

・私のあたりまえはどこから来ているのだろう。

・子どもに常識は通用しない。

・今どき固定電話やFAXを使える若者はいないと思う。

・常識人と思っている人の非常識さを垣間見るとかわいいと思う。

・文科省は正しい日本語が使えることより英語教育を強化している。

・父親は転職した私を奇異の目で見ていた。

・常識は誰が決めるんだろう?

・白髪になったら自分より年上とみられる人からニコニコと座席を譲られる。

・良い大学に行き大企業に就職すると成功する常識はもはや当てはまらない。

・世の流れの2〜3歩先を見ている人は非常識に見える行動をする。

・成功・成果があるから非常識は美談になるが、失敗すればただの非常識である。

・新入社員がまるでラインみたいな2行のメールを送ってくる。

・常識もスクラップ&ビルドする。

・親が子どもの進む道を決め、障害を排除しているカーリング子育てが増えている。

・人を傷つけたりおとしめる行為を「非常識」と呼びたい。

・いつの世でも変わらないでいてほしい常識がある。

・常識は暴力になりうる。

・本当に腹を立てたポイントが他にあるのに、「非常識だ!」で置き換えることがある。

・常識の違いを楽しめるジャンルも存在する。

・炎上する人になれ、と言う人がいる。

・当たり前、常識は普段透明で気づいていない。

・非常識の感染力は強い。

・人の数だけ常識がある。

・100歳になったら何でもOKになる。

・昔はお茶もお水もおにぎりも売ってなかった。

・80歳を超えてもバリバリ外作業をしている姿は非常識な程感動的だ。

・無理が通れば道理がひっこむ。

・「私の常識では」と言う人の常識は非常識であることが多い。

・非常識と思っても、迷惑でなければ目をつむろう。

・電車の中でマスカラを塗っている女性をけげんな目で見ながらリップクリームを塗っている自分にとまどう。

・“しきたり”がうっとうしい時がある。

・常識だと思っていても自分一人だと不安になる。

・常識とは演繹法ではなく帰納法である。

・常識を操作する環境ができている。

・常識をひっくり返すことができやすい環境が生まれた。

・作品へのこだわりで20年以上アルバムを出していないアーティストから心が離れない。

・現実社会では排除される人も、ネット社会ではヒーローにもなりえる。

・常識に縛られるとワクワクした感じが減じる。

・通販で不良品を返品したら不良品が返ってきた。

・最近の子どもたちにとって、集まって遊ぶということは、一緒にYouTubeなどの動画を観ることらしい。

・「みんなそう言ってるよ」はうさんくさい。

・違和感を感じるものには可能性が潜んでいる。

・〈常識〉がくつがえるのを見るのはどこか快感である。

 

 自分が〈常識〉の側にいるのか〈非常識〉の側にいるのか、不明瞭になってきている〈現在〉の状況を感じさせるラベル達です。時には〈常識〉を味方につけ、時にはそこからはずれたいと切実に願いもする。しかし、いったい明確な境界線があるのか無いのか、何がそれを決めているのか、たいへんうさんくさいと感じてしまう。

 みなさんの率直な感覚が発露されたラベル達に、〈現在〉という時代の振れ幅が表れているように見えます。どこかグレーな〈現在〉ではありますが、譲れない境界線もありそうで、我ながらスリリングなテーマ設定をしたものだと思っています。

 

 

 

 これらのラベルも含め、数百枚のラベル達から、冬のワークショップまでに私がまず70枚を「多段ピックアップ」で択びます。冬は、各チームでその70枚からさらに20枚をピックアップし、「狭義のKJ法」グループ作業に臨みます。

 冬まで、この曖昧で不安をそそるラベル達を心に棲みつかせながら、発酵・熟成させていただくのも大切なことと考えています。

 

 非常識な暑さの京都に、非常識なテーマのためにお集まり下さったみなさまに感謝しつつ、残暑を乗り切りたいとおもいます。

 

 

 

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