〈コスモス〉を紡ぐ

  • 2020.01.28 Tuesday
  • 18:12

 

 ご近所の年配のご夫婦が、ときどきご自宅の玄関先で「ほっこり」とした時間を過ごしておられるのを見かけます。

 特にご主人はしばしば、木の切り株でできた小さなテーブルにお茶など置いて、読書三昧。時には奥様とゆったり語らいながら、誰にも奪えないお二人の時間を味わっておられます。 

 目の前はかなり交通量の多い車道であり、地域の資源ゴミ置き場やら郵便ポストやらがあるところで、お世辞にも閑静な場所というわけではないのですけれども、お二人とも、そのような喧噪にはいっこうにお気持ちを乱されているご様子がなく、樹木の気配やシジュウカラのさえずりや季節の息づかいだけを深々と吸い込んでおられるようで、そこには「ほっこり」と、そして凜とした世界があることに感動します。

 穏やかなひとときを過ごしておられるようでいて、そこには一つの〈闘い〉があるようにも思われます。自分の〈コスモス〉としての世界を紡ぐ〈闘い〉が。

 

 昨年の11月からインスタグラムを始めた私ですが、そこで出逢うことのできた方々の中にも、写真を通して、そのような穏やかで凜とした〈闘い〉の姿を示してくださる方がたくさんいます。

 自分の「好き」を公表し、「好き」でいくらでもどこまでも一瞬でつながることのできる、ネット上の社交場ですが、ともすれば〈数〉という評価や、他者の目線や、トレンドや、そこはかとなく漂う常識的な空気などに足をすくわれそうになる、試練の場でもあります。

 それらに足をすくわれずに、自分の〈コスモス〉としての世界を紡ぐのは、楽しそうに見えて実は、繊細で豪胆な〈闘い〉の気力も必要とされるようにおもわれます。

〈数〉ではなく、あくまでも一人ずつの聴き手に届けるための表現を模索するロックシンガーや、日常の、どこまでもささやかな日常の一コマを丁寧に愛おしむ、端正なご婦人のたたずまいや、雪に包まれた峻厳な八ヶ岳で研ぎ澄まされている山男のまなざしや、日々のきらめきや鬱屈の瞬間を俳句や短歌に収め続ける方々や、絵画、木工細工、ジュエリー、野鳥、などなど、それぞれに自分の〈コスモス〉を紡ぎながら、純度の高い時間とつながりとを模索している方々の姿は、私に深い慰藉と刺激を与えてくれます。

 

 そんなこんなで、私も未熟な写真の腕前をかえりみず、ときには短歌を、ときには定型にとらわれない自由な発想の言葉を、視覚的な表現として発信している昨今です。

 写真というキャンバスに短歌を描くのは、歌詞に曲を与えるようなもので、短歌だけで完結するのとはまた異なる命を与えることになります。過去の歌作に新しい命を吹き込むことができるのも、うれしいことです。

 しかも、「アプリ」なるものの発達で、写真への縦書きの文字入れなども実に手軽に試みられ、ちょっとした時間を〈表現〉のためにあてがうことができるのも魅力です。

 日々、まなざしを鍛え、〈コスモス〉を紡ぐ闘いを、ささやかに持続できればと願っています。

 

 

川喜田晶子インスタグラムはこちら→https://www.instagram.com/akiko_mist/?hl=ja

 

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2019年を振り返って

  • 2019.12.30 Monday
  • 17:47

 

 2019年の「霧芯館KJ法ワークショップ」のテーマは「イメージの力」でした。

「毎年のテーマ、楽しみにしているんですが、どうやってテーマを決めるんですか?」と、参加者の方々からよく質問されます。

「降りてくるのを待つんです。」とお答えするのですけれども、今年のテーマも、もやもやした状態から決断へのプロセスは、やはり「降りてくる」という感じでした。

 この「降りてくる」という言葉は、自分の我(が)ではなく、私を通してなにものかの力が、なにかをさせたがっている、という感覚をうまく表現したものだと思うのです。そのような力がまさに熟して降りてくる瞬間、みたいなものを受け止める。ワークショップのテーマに限らず、そんな「なにものか」とのやりとりこそが、〈決断〉のためにはいつも必要だという気がしております。

 

 今年のワークショップで浮かび上がった「イメージ」の本質には、まさに、人の合理的な「我」を超えたものがありました。ひとつ間違えれば、膨張・暴走して私たちをとんでもないところへ追いやる力も持っている「イメージ」ですが、うまく付き合うなら、私たちの合理的な現実把握の枠組みを蹴散らして、不条理や限界を超えてゆくことを可能にする、潜在的なパワーを秘めた宝刀のようなもの。

 人に与えられたこの不思議な力は、私たちの無意識にダイレクトに働きかけ、肉体や現実というものを矮小に決めつけてしまっている私たちを揺さぶり、「生き抜く」ために必要な、とてつもないディレクションを差し出してくれたりします。

 

 そんな「イメージ」とのやりとりを味わいながら、走り抜けた2019年でした。

 

 KJ法について言えば、「モノづくり」の現場の方々の熱いニーズに触れることができた年でもありました。

「そもそも何をつくればよいのか」「そもそも消費者はなにを求めているのか」「そもそも自分たちはなにをつくりたいのか」

 そんな「そもそも」を真剣に問い直したい方々と、熱のこもった時間を共有する機会に多々恵まれたのは楽しくしあわせなことでした。

 

 個人的には、12月20日、川喜田八潮との共著『J-POPの現在 機卆犬難さ〉を超えて』を出版することができました。

「KJ法じゃなくてJ-POPなんですか?」とびっくりされもしましたが、私にとっては、あまり大きなギャップを感じていない、そのことにむしろ、自分でびっくりしているところもあります。

〈現在〉を突きつめ、〈生き難さ〉とはなにかをつきつめ、多彩な表現や、KJ法でいうところの〈志〉を統合する営みとしては、同じアプローチをしているとも言えます。

 むしろ、ついでに始めたインスタグラムでは、想定外の楽しさをおぼえ、想定外の世界の拡がり方をしているような。

 写真に短い言葉を添える。

 未熟な技の写真ではありますが、そこに言葉の力をどう作用させるのか、日々「降りてくる」瞬間を味わうのが心地よく、また、思いもよらない方々の世界の視え方やフォローに出逢うなど、行動半径の乏しい私にとっては、不思議な風穴が開いた気分を味わっています。

 

 2020年は、おそらく、〈価値〉というものへの問い直しが進む、そういう時代へと突入するのではないかと感じています。そして、その〈価値〉の根っこには、私たちの〈無意識〉が大きく位置を占め、その〈無意識〉を動かすパワーをどのように広く深くイメージするのか、そのことがより一層きびしく問われる時代に差しかかっているのだと感じながら、まずは目前のおせち料理の準備を進めたいとおもいます。

 

 いつもお読みいただきありがとうございます。

 どうぞ良いお年をお迎えくださいますように。

 

 

『J-POPの現在 機卆犬難さ〉を超えて』好評発売中→amazon

プレスリリースはこちら→https://www.excite.co.jp/news/article/Prtimes_2019-12-20-46294-19/

 

 

川喜田晶子インスタグラムはこちら→https://www.instagram.com/akiko_mist/?hl=ja

 

 

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「霧芯館KJ法ワークショップ2019 其ノ二」

  • 2019.12.22 Sunday
  • 17:16

 

 去る12月7日、「霧芯館KJ法ワークショップ2019其ノ二」を開催いたしました。(於・京都テルサ)

 今年のワークショップのテーマは「イメージの力」。

 夏のワークショップにおいて、このテーマについて参加者が提示してくださった数百枚のラベルから、私がまずピックアップしておいた70枚のラベルがあり、今回の「其ノ二」では、各チームでさらにピックアップした20枚ほどのラベルを使っての「グループKJ法」の実践を行いました。

 

 完成した図解は、それぞれのチーム独自の「イメージとはどういう力なのか」についての本質追求の表情を持っています。

 

 イメージが、私たちの心身や現実の状況とやりとりをすることでいかにパワフルに事態を動かしてゆくか。

 イメージの持ちよう次第で、不可能を可能にするパワーを持つけれども、そのパワーゆえに、両刃の剣であることの怖さ。

 現実とはかけ離れたイメージが一人歩きしたり、別のイメージへと着せ替えられたり、人を翻弄する危うさ、あるいはイメージに縛られて盲目になってしまう危うさがある。それらを超えて、人だけが持ち合わせているイメージの豊かな源泉へとたち還りたいという衝動。

 状況を癒し、変容させるパワーをもつ薬箱のような「イメージ」だけれども、都合よくイメージで処理しようとする依存心も湧き上がる、人の心のもろさ、不安定さ。

 

 ポジ・ネガさまざまなイメージの持つパワー・表情が浮かび上がりましたが、ポジであれネガであれ、そのパワーがひとたび発揮されると、逆に一筋縄ではいかない危険さを持ち合わせていること。だからこそ、それをポジとして用いる英知が必要とされていること。

 つまり、人が生き抜くために、人に与えられたこの力は、アナログにダイレクトに私たちの無意識に働きかけ、現実を塗り替える力を持つのですが、それは非常に膨張・暴走しやすい力でもあります。そしてひとたび暴走すると、その暴走したパワーを存分に発揮して人を拘束するのであり、そこに怖さがあります。

 不可能を可能にするし、根拠が乏しかろうとゼロであろうと、一気に現実を超越するパワーで私たちを未知へ、なにかしらの実現へ、不条理の克服へと誘いますが、その膨張力・暴走力には恐るべきものがあるわけです。

 この両刃の剣としての「イメージ」の恐るべきパワーの手触りを、師走の一日、全国から京都へお集まりいただいたみなさまに、KJ法を通して全身的に体感していただき、お持ち帰りいただいた「其ノ二」でした。

 

 私たちの「無意識」というものが、私たちの心身を通してどれほど広く深い場所に根を下ろしているのか。そのことを想うとき、この「イメージ」こそが、私たちをひび割れた冷笑的な世界観から掬い上げ、個を不条理な索漠とした孤立のイメージから救い出して、豊かな意味へと誘う武器、と想われます。その暴走力をよく見きわめる聡明さの必要性を肝に銘じつつ。

 さまざまな混迷の現場を生きるみなさまに、KJ法で掴み取ったイメージの本質を活かしていただけることを祈念して。

 

 

 

★インスタグラム始めました。風景写真と言葉のコラボをお楽しみください。

https://www.instagram.com/akiko_mist/?hl=ja

 

★『J-POPの現在 〈生き難さ〉を超えて』好評発売中→amazon

 

 

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「霧芯館KJ法ワークショップ2019 其ノ二」〜参加者のみ閲覧可〜

  • 2019.12.20 Friday
  • 21:28

お知らせ 『J-POPの現在 〈生き難さ〉を超えて』予約注文受付開始。

  • 2019.11.14 Thursday
  • 18:30

 

先日お知らせいたしました『J-POPの現在 機卆犬難さ〉を超えて』の予約注文の受付が開始になりました。

 

 

目次

 

第一部 超越

 

まえがき

 

#追いつめられている場所

■ゴールデンボンバー「やさしくしてね」

■上坂すみれ「POP TEAM EPIC」(アニメ『ポプテピピック』オープニングテーマ曲)

 

#無神論者の渇き

■HYDE「FAKE DIVINE」

 

#生命と虚無の振幅

■YOSHIKI feat. HYDE「Red Swan」

■YOSHIKI feat.サラ・ブライトマン「Miracle」

 

#社会への抵抗のデザイン

■欅坂46「不協和音」「アンビバレント」

■AKB48「NO WAY MAN」

■SEKAI NO OWARI(セカイノオワリ)「Death Disco」

 

#理性と本能

■B’z「Still Alive」

■EXILE「Heads or Tails」

■三浦大知「Be Myself」

 

#ニーチェ的解放のかたち

■椎名林檎「おとなの掟」「人生は夢だらけ」「獣ゆく細道」

 

#すべて(=奇跡)を信じて

■GACKT「OASIS」

 

#たたかう力をくれ

■Superfly「黒い雫」「Beautiful」「Force」

 

★ご注文はこちらからどうぞ → amazon

 

★内容に関する情報はブログ「星辰」にて → http://sei-shin.jugem.jp/

 

★2019年12月26日追記:プレスリリースはこちら→https://www.excite.co.jp/news/article/Prtimes_2019-12-20-46294-19/

 

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お知らせ 『J-POPの現在 〈生き難さ〉を超えて』12月下旬発売予定

  • 2019.11.10 Sunday
  • 18:25

川喜田八潮と川喜田晶子の対談形式によるJ-POP論が発売となります。

 

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現在という時代の〈生き難さ〉にとって

あのアーティストの意味とは?

あの楽曲の意味とは?

 

気鋭の文芸批評家と歌人の対談による

軽快かつ繊細なJ-POP論。

 

アーティストたちの表現と時代の無意識が

クロスする場所を読み解き、

〈現在〉の直面する課題とその超克への道筋を

スリリングに語り尽くす。

 

1500円+税

Parade Books

 

****************************************************

 

目次

 

第一部 超越

 

まえがき

 

#追いつめられている場所

■ゴールデンボンバー「やさしくしてね」

■上坂すみれ「POP TEAM EPIC」(アニメ『ポプテピピック』オープニングテーマ曲)

 

#無神論者の渇き

■HYDE「FAKE DIVINE」

 

#生命と虚無の振幅

■YOSHIKI feat. HYDE「Red Swan」

■YOSHIKI feat.サラ・ブライトマン「Miracle」

 

#社会への抵抗のデザイン

■欅坂46「不協和音」「アンビバレント」

■AKB48「NO WAY MAN」

■SEKAI NO OWARI(セカイノオワリ)「Death Disco」

 

#理性と本能

■B’z「Still Alive」

■EXILE「Heads or Tails」

■三浦大知「Be Myself」

 

#ニーチェ的解放のかたち

■椎名林檎「おとなの掟」「人生は夢だらけ」「獣ゆく細道」

 

#すべて(=奇跡)を信じて

■GACKT「OASIS」

 

#たたかう力をくれ

■Superfly「黒い雫」「Beautiful」「Force」

 

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アマゾンなどで予約注文できるようになりましたら、またお知らせさせていただきます。

 

内容に関する情報はブログ「星辰」にて→http://sei-shin.jugem.jp/

 

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どんぐり一如

  • 2019.10.31 Thursday
  • 18:18

 今月は写真のみ更新です。

 

 

 くぬぎのどんぐりでしょうか、この丸さを見ていると、なぜか「どんぐり一如」ということばが頭に浮かびました。自分とどんぐり、どんぐりと世界、自分と世界。この丸みのなかに、〈一如〉という感覚が詰まっているような。

 

 

 

 紅葉が待ち遠しい季節ですが、青もみじもまだまだ美しい。

 

 

 今年は私としては蝶の写真が豊作でした。

 

 

 修学院にある音羽川から望む西山の風景。

 

 

 野生の美。

 

 

 芒と、空の映り込んだ水面と。

 

 

 光と闇と。

 

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なにしろ秋なので

  • 2019.09.29 Sunday
  • 18:38

 

 文句なしに好きな作業というものがあります。

 ブログで何枚かの写真をどの順番で掲載しようか、と悩むとき。

 パソコンに取り込んである音楽から、お気に入りの楽曲だけを一枚の音楽用CDにどういう順番で書き込もうか、と悩むとき。

 KJ法の作業で言えば、10個以内のグループに統合されたラベル群を、一枚の模造紙にどう配置しようか、と悩むとき。

 

 いずれも悩み・迷いのつきまとう作業なのですが、その悩み・迷いがとても楽しい。

 自分の中の、意識化できない部分を、意識化するかしないかというぎりぎりの場所へ持ち出しながら、でも最終的に意識化しない部分が大満足するように、ああでもないこうでもないと、煩悶する。その、意識と無意識のぎりぎりのところに今、自分の意識のセンサーと無意識のセンサーの両方を駆使している、その感触がなんとも心地よいのです。

 

 3つ目は、いつもKJ法の仕事で味わえることなので幸せですが、研修受講者のみなさんにとってはかなり産みの苦しみにもなる場面のようです。

 2つ目の、音楽CDの編集作業も大好きなのですが、昨今の忙しさの中では、そんな作業に時間を費やしていては楽しすぎて罪悪感すらおぼえてしまうので、このところ味わえていません。

 1つ目の写真については、こうしてブログで時たまご披露するための作業で、ほどよいエネルギーをかけ、ほどよい解放感を得られて、これも幸せです。

 

 プロの画家さんが、いくつかの作品を画廊に展示するときや、ミュージシャンが楽曲を集めて一枚のアルバムにするときも、きっと、この意識と無意識の往還を、プロの高精度のセンサーを駆使して、絶対感をおぼえるかたちへと整える、そういう作業をしているはず。そこでは、ひとつの作品だけと対峙している時とは異なる、全体の中での作品の意味が浮上してきます。

 

 KJ法の大事なツボとして、「全体感を背景として、個々のラベルの〈志〉を感受して」と申し上げるのですが、その「全体感を背景として」感受する〈志〉というのは、実は、アルバムの中での個々の楽曲の意味のようなものだと言うことが出来ます。一曲だけを聴くなら、色々な解釈が出来るけれども、アルバム全体の中でのこの曲の意味は、となると、あるイメージとして定まってくる。一枚だけのラベルを恣意的に解釈するのではなく、KJ法はいつも、全体感の中で〈志〉を聴き取ろうとするわけです。

 

 どのような表現においても、すぐれた「作品」というものは、その完成形へと精度を上げるための、産みの苦しみ・悩み・迷いがあります。そこに楽しさもつきまとっていますが、意識と無意識の葛藤がスリリングに、その人らしく、実にその人らしく繰り広げられているものです。

 それらの作品を味読する側もまた、楽しみながらその意識と無意識の奥ゆきへと十分に感受性・想像力を働かせたいものだとおもいます。

 まだまだ残暑は続くものの、なにしろ秋ですから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「霧芯館KJ法ワークショップ2019」〜参加者のみ閲覧可〜

  • 2019.08.07 Wednesday
  • 11:33

「霧芯館KJ法ワークショップ2019」

  • 2019.08.07 Wednesday
  • 11:11

 

 さる8月3日、「霧芯館KJ法ワークショップ2019」を開催いたしました(於・京都テルサ)。

 過去に霧芯館の研修を受講された方々とそのご紹介のある方々が対象ですが、今年も、猛暑の京都へ、全国から大勢お集まりいただき、無事開催できましたことにほっとしています。

 今年のテーマは「イメージの力」。テーマ設定の趣旨は次のようなものです。

 

「イメージトレーニング」などと言われるように、時として私たちはイメージによって自分を変えてゆこうとします。逆に、イメージの持ち方がネガティヴだと、どんどん悪い連鎖に陥ってしまうことも。論理と対極的なこの「イメージ」には、どのような可能性や怖さが潜んでいるのでしょうか。イメージとどのようにつき合うことが、ものごとを良い方向へ進めることになるのでしょうか。

 

 チームごとに「パルス討論」という技法で、テーマをめぐって多彩なラベルを提示してもらいます。また、今回初めての試みとして、ラベルの提示にとどまらず、例年は冬のワークショップで実践する「狭義のKJ法」を少し先取りするような「構造化のためのトレーニングワーク」も楽しんでいただきました。

 

 

 まずは、今年のラベル達をご紹介してみましょう。

 音楽教育に携わる方々、演奏家の方々がたくさんご参加だったことも作用したでしょうか、イメージ豊かで楽しい、魅力溢れるラベルが豊富に出揃っています。

 

人のことを考えずに思い込みで行動(暴走)する原動力になる。

自分と相手とのイメージにギャップがあるとどちらかが傷付く。

風鈴は、物理的な涼しさは何らもたらさないが、イメージによって人を涼しくさせる。

幼児のイヤイヤには、これから発達するイメージ力に対するエネルギーを感じる。

見えないものって、確実にあると思う。

文学が実写化するとがっかりする。

ガンだと診断を告知された途端、ガン患者になっていく。

プラセボ(偽薬)でも鎮痛にある程度の効果が得られる。

チョコパンだと思っていたのにあんこだったりするとすごいがっかりする。

自分の“性”でない人の“性”の悩みを考えるのは容易でない。

良いイメージをなくしてしまうのは一瞬である。

アイドルは恋愛禁止だ。

一人暮らしをしているが、誰もいない部屋に「ただいま」と「行ってきます」を言うようにしている。

想像の産物が人々の命を救うこともある。

イメージは人を狂気の世界に陥らせもするし、病んだ心を癒しもする。

過去を変えることもできる。

同じものをイメージしたとしても、同じイメージを共有できるとは限らない。

万人が同様のイメージを持つものごともある。

以前の学生は文章を見て行動化できたが、今はDVDを見ないとできない。

経験値によりイメージしやすいことと、イメージしにくいことがある。

人間は、現実世界(客観)とイメージ(主観)の両方を生きている。

イメージによる飛躍がイノベーションを起こす。

死後の世界は誰も見たことがないのに多くの人が信じている。

AIはイメージできるのだろうか?

イメージの世界では何でもできる。

赤いパンツは健康になる。

高価なもの程、ご利益ありと思う。

己れの原動力を大きくも小さくもする。

100キロの体重の人が10キロ痩せる目標をたてても痩せられないが、90キロの自分の姿をイメージすればそれに近づける。

色の持つイメージの違いを効果的に使うと良い。

人と交渉する時は、ピンク色の服を着ると良いらしい。

多様なイメージができる言葉を遣って話し合うと、コミュニケーションがずれることがある。

幼児は花が開く瞬間を、大太鼓をたたいて「ドドドー」と表現していた。

子どもの想像力は経験値の低さゆえの豊かさがある。

YouTubeが最強の宣伝ツールになっている。

気がつかない間に洗脳されることがある。

ネガティブな事をイメージするとネガティブな事がおきる。

筋トレで、動かしている筋肉をイメージしてやると効果は絶大である。

日本人は、風鈴の音をきくと涼しくなると思い込んでいるので、風鈴の音で体温が下がる。足がつりそう、と思ったとたんに足がつり、42kmでフルマラソンをリタイアした。

コップを落とさないで、と小さい子どもに言うと、落としてしまう。

脳はだまされやすい。

イメージは時として、偏見・固定観念となる。

高齢者事故のニュースを見ると、もみじマークをつけている車は危ないと思ってしまう。老後をイメージすると不安でしかない。

イメージは操作される。

イメージは黒を白にでもできる。

イメージとは、自分の脳をだますために想像することだ。

幸福や不幸になるエッセンスになる。

相手に明確に伝えにくくなると、めんどくさくなって“こういうイメージ”と言ってしまう。

事実ではない、うらづけもないのに、心で描いたものにしたがってしまう。

判断材料の一つになることがある。

わざわざ北枕で寝ている。

演奏会で拍手をたくさんもらったことを想像しながら練習したら本番もうまくいった。

音楽をきいて、自分で勝手にイメージすることはとても楽しい。

頭の中でふわっとふくらむ自分のものさしのようなものかも。

世代により異なることがある。

ふと頭によぎった不安は起こってほしくないと願いすぎて現実に起こってしまった。

ピンチはチャンスだとイメージできる自分は自己肯定感が高い。

イメージとはなれすぎたギャップは人を苦しめる。

あるイメージにとらわれると、そこからはなれづらい。

習慣化することでイメージは強化される。

イメージだけ持っていても、そこに努力が伴わないと、結果には結びつかない。

一流、といわれる人は、鍛錬によって、イメージが鮮明かつポジティブに描ける。

自分の中ではぼんやりさせていても、人に伝えるときは、論理的に語る必要がある。

自分自身のイメージが一番難しい。

自分のリアルとイメージのズレは必ずある。

水に「ありがとう」といい続けるとうつくしい結晶ができたという実験があるが、あれは人のイメージが反映したと言われてもいる。

目標をイメージ化できると、苦しいトレーニングにも耐えられそう。

イメージを持続するには忍耐がいる。

毛虫に怖いイメージがなかった3歳の頃、みずから手でつついて大ケガをした。

他者の持つイメージを完全に知ることはできない。

イメージすればするほど現実離れする世界観がある。

異質なものをつなげる力がイメージにはある。

イメージの大きな飛躍が新しい芸術をうみだす。

想像のつばさは、大・小さまざまであると感じる。

猫をイメージすると幸せな気持ちになる。

楽譜を読むとイメージがふくらむ。

かみあわないイメージは想像力を広げる。

イメージがかみあわないとトラブルのもととなる。

メディア環境の変化が、人々の持つ「イメージ」の質にも変化を及ぼしている可能性がある。

素材が多いほど、実像に近づいていく。

マイナスのイメージとプラスのイメージを持つことでバランスをとっている。

楽しいイメージは無限大に拡がる。

自分のボディーイメージが曖昧な人は生き方も曖昧な印象がある。

虹を見ると宇宙の力を感じる。

 

 どの一枚を読んでも、まさにそこからふくらむ〈イメージ〉がある、そんなラベル達に、心躍る成果を感じました。これらのラベル達は、今年も今から4ヶ月ほど寝かされ、冬のワークショップ「其ノ二」において、グループKJ法で構造化される機会を待ちます。

 しかし、今回初の試みとして、全チームから1枚ずつ選ばれたラベルを〈土俵〉として、それぞれのラベルを一つの〈島〉として感受し、シンボルマークを与え、関係線を入れ、図解化する、そういう構造化のトレーニングワークにも取り組んでいただきました。

 この日の会場全体からの代表選手とも言うべきラベル達を、全チームが共有し、構造化に臨む。これはなかなかに刺激的な時間でした。

 本来の狭義のKJ法の緻密な手続きではないわけですが、「近いけれども異質な、あまり多すぎないデータ」を一望することで、人は発想力が飛躍するのであり、これはKJ法の一つの本質を生かした作業です。

 楽しい、難しい、脳みそが煮えたぎりそう、といったご感想がちらほら聞こえてきましたが、無事全チームの構造化を終え、プレゼンテーションまで持ち込むことができました。

 

 

 同じラベルを用いながら、チームによって異質な図解が完成したのですが、いずれにも、〈イメージ〉の持つ想定外の威力、私たちの合理性を吹き飛ばしてしまうパワー、身体のあり方や幸不幸やものごとの成否の鍵を握る潜在的・本質的なパワー、といった把握が見受けられました。

 冬のワークショップにおいて、さらなる精緻な構造化が期待されます。

 

 

 

 

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